緒方恵一 Keiichi Ogata
日本大学芸術学部で映画を学んだ後、英国ロンドンのアーキテクチュアル・アソシエーション(英国建築協会付属建築学校/通称AAスクール)で、パスカル・シェーニング教授に師事し、映画的建築論(Cinematic Architecture)の研究により1996年AAディプロマ優等学位取得(AA diploma hons)。建築設計事務所Ushida-Findlay Architects (東京およびロンドン事務所)などで建築実務経験。東京大学、明治大学、専門学校で非常勤講師として、また英国やカナダなどで客員講師として、建築、映画、美術、シナリオ論等を教えると共に、これらに関する執筆もする。2004年、東京でインサイト都市空間建築事務所を設立、建築設計、建築空間企画プロデュースを始め、都市計画、インテリアデザインおよび企画を手がけている。また、芸術文化、環境、による地域まちづくり活動、東日本震災復興支援など、人と人をつなぐまちづくり(コミュニティ・デザイン)にも関わることで「建築」や「建築家」 という考えを広義に捉え、現代都市や社会に何をなすべきかを考えながら活動している。
2009年に、前述の映画的建築論の更なる探求を目的に、建築・都市計画・映画・アートの手法および表象文化論を融合させた研究団体、シネマティック・アーキテクチャ東京を立ち上げる。
また、長らく作り続けている都市や記憶をテーマにした映像作品はオーストリアをはじめとするヨーロッパ各国や米国の映画祭に選出、上映され、なかでもエッセイ映画(シネ・ポエム)『光から沈黙へ、沈黙から光へ Hiroshima Through Light』(1996)は、脚本作品シナリオがアメリカ文学誌に掲載された。
緒方恵一に関する活動
映像
『月と雲』(2002)vimeo
『キオクノシズク』(2000)
『鏡の中のゴースト』(2000)アン・マリー=クリーマーと共同制作
『CITY-NESS 1』(1998)
『アントニオーニ 転換の視線』(1996/2017)vimeo
『光から沈黙へ、沈黙から光へ〜Hiroshima Through Light』(1995/2018)vimeo
『消失に関する3章の映画』(1994/2015)vimeo
ほか
展示・作品上映(正式出品)
「YATAI HERE YATAI THERE〜東日本大震災の小さな記録」2012(ロンドン建築フェスティバルLondon, UKおよび宮城県南三陸町)
シンポジウム「キノテクチャー」Kinotektur, Oslo School of Architecture and Design and Norsk Form, at Villa Stenersen, Oslo 2010(Oslo, Norway)
ノマド~Sとのdance+videoコラボレーション 2009(東京学芸大学)
ホープ&ドリームス映画祭 2001(Hope, New Jersey, USA)
モーブ映画祭 2001(Mobe, Utah, USA)
BANブリティッシュ・アート・ナウ 表参道ギャラリー 2001(東京)
AD & Aギャラリー 2001(大阪)
BANブリティッシュ・アート・ナウ ギャラリー青山 1999(東京)
AAスクール(英国建築協会付属建築学校)150周年記念作品展(London, UK)
The Architecture of Spaces of Thought 1998(Graz, Austria)
シンポジウム「21世紀の建築教育Architectural Education for The Third Millenium」1998(Nicosia, North Cyprus)
Film + Arcビエンナーレ 1994, 1996(Graz, Austria)
ほか
講演・シンポジウム(パネリスト)
「シネマティックアーキテクチャ東京の活動と私の映画制作」2021(チュラーロンコーン大学、Bangkok, Thailand)
「動機の源」2019(マギル大学、Montréal, Canada)
シンポジウム:「映像と建築教育What is Cinematic Architecture?」2009(AAスクール, London, UK
シンポジウム:「The Catalytic Commoning 建築と都市デザインへの建築的アプローチ」 主催: 九州大学大学院芸術工学研究院 2006(六本木デザインハブ)
シンポジウム:「未来の都市」全国まちづくり会議2009/日本都市計画家協会(川崎市)
「作品紹介」Electric Cinema 2001(London, UK)
「小津安二郎の描いた風景と建築」講演およびワークショップ 2002(Wiltshire Literature Festival. Cre8 Studio, Swindon, UK)
非常勤講師/客員講師・分野
International Program in Design and Architecture (INDA), Faculty of Architecture, Chulalongkorn University, Bangkok, Thailand 2021(客員)建築、映画
McGill University, Montréal, Canada 2019(客員)建築、都市計画および美術
Leeds Beckett University, Leeds, UK 2017(客員)建築 Kingston University, London, UK(客員)建築
明治大学工学部建築学科(客員)建築
東京大学工学部建築学科(非常勤)建築
東京工科専門学校(非常勤)建築
アーツカレッジヨコハマ(非常勤)1998-2013 シナリオおよび映像制作
執筆
青山学報[231] March 2010(青山学院大学)
Cinematic Architecture (Architectural Association Press, UK) パスカル・シェーニング著
10+1 No.19 『映像作家たちの捉えた都市模様ー’90年代の都市映画』(INAX出版)
建築雑誌2001年9月『異分野訪問:都市を見ること』(日本建築学会)
SD9811『フレデリック・ワイズマンの捉えた場所、空間あるいは欲望』(鹿島出版会)
AA FILES No.32 AUTUMUN 1996『AA Diploma Honors 1995-96』(Architectural Association Press, UK)
作品掲載誌
Drawing the Line of Thought (Architectural Association Press, UK)
MANOA 13:1〜 『映画シナリオ光から沈黙へ、沈黙から光へ〜Hiroshima Through Light』 (The University of Hawaii Press, USA)
Time Out 31October – 7 November 2001 (Time Out Press, UK)
Japan Times, 30 September 2001
FILM FOLDOR 1995/3 (AKTION FILM, Austria) ほか
出演
ラジオ「パシフィック・タイム」KQED Public Radio FM (米国カリフォルニア州サンフランシスコ/2000)
論文
アントニオーニ: 転換の視線
G.W. パブストとパンドラの箱〜表現主義時代の光と影と闇の芸術・映画・建築の関連性
翻訳
『カラーリスト』小林重順著 1999(講談社インターナショナル)
SD9704『都市の記憶―P・シェーニングとディプロマユニット3』1997(鹿島出版会)